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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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昼時コンサート~パイプオルガン~梅干野安未

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普段は余り興味の湧かないパイプオルガンのコンサートを態々聴きに行った。入場料が高くて近づき難い有名ホールに無料で入れるチャンスだから、その気になったようだ:
 
サントリーホールオルガンプロムナードコンサート
   オルガン:梅干野安未

                       J. S. バッハ :前奏曲変ホ長調 BWV552-1
哀悼行事「神の時こそいと良き時」BWV106からソナティーナ
フーガ変ホ長調 BWV552-2

V.オーベルタン:『星のためのソナチネ』から I. 天を造る素材
ヴィエルヌ 24の幻想小曲集』から「ヒンクリーの鐘」op. 55-6
イメージ 1
 
大ホール容量は二千席あるそうだ。昼時ながら、遠来と見受けられる多くの客でかなりの入り(千人強?)だった。シリーズ公演だから、常連さんが多いのかも知れない。
 
パイプオルガンを好きになれないのは、その大音量の所為だ。今日の第1曲も大音量で始まったので、不安に押しつぶされそうだったが、2曲目が一転、静かな曲に変わったのは望外の救いだった。これは短かったが、第3曲目も中音量で始まったので、すっかり落ち着いて鑑賞する余裕が生まれた。これは、プログラム構成の狙い通りに導かれたのかな。
 
4曲目は、いわゆる現代音楽だった。比較的静かに演奏されたので、拒絶感は催さなかった。
 
最後、第5曲目の終局はさすがに大迫力だったが、これは盛り上がっての終演だから、悪くない。
 
などと、音量ばかり気にしていては、曲の印象記にもならないので、気の利いた~出演者メッセージ~を丸ごと引用しておこう:
 

  J.S.バッハが晩年に出版した『クラヴィーア練習曲集第3部』。教理問答を題材にしたコラール作品を含み、ドイツ・オルガン・ミサとも呼ばれるこの曲集には、キリスト教における三位一体(父なる神・子なるキリスト・聖霊)を象徴する‘3’という数字が随所に散りばめられています。その曲集の最初と最後を飾る「前奏曲とフーガ」 変ホ長調は、まさに‘3’の祭典。調号には♭が‘3’つ、前奏曲は‘3’つの主題を用いて書かれ、フーガも‘3’つの主題による荘厳な‘3’重のフーガが展開されます。本日はこの「前奏曲とフーガ」の間に、故人への祈りと三位一体の神への讃美が歌われる「カンタータ第106番」の美しいシンフォニアを挟み、サントリーホール開館30周年のお祝いの気持ちと共に、‘3’が十分に用いられたこの喜ばしい作品を演奏いたします。
   
続いては、来週の七夕に想いを寄せて、フランス現代の作曲家・オルガニスト、オーベルタンによる「星」を題材にした作品を。オルガンの「倍音管」の重なりによって得られる特徴的なうなりと、ポリリズミックに書かれたスタッカートの音形が、儚げに煌めく夜空の星を連想させます。
   1900
年よりノートルダム大聖堂のオルガニストを務めたヴィエルヌは、世界中に演奏旅行を行い、一躍その名を世界に轟かせました。『24の幻想小曲集』第4巻の最後に収められている「ヒンクリーの鐘」は、演奏旅行でイギリスの街ヒンクリーを訪れた際、夜の街に響き渡る教会の鐘の音(カリヨン)に発想を得て書かれた作品です。音階をモチーフにした鐘が鳴る様な音形が響く中、鐘の主題がペダルで厳かに現れます。次第に、まるで流れ星が降るかのように鐘が打ち鳴らされていき、圧巻の終幕を迎えます。(梅干野安未)


イメージ 2 
本日の収穫として特記すべきは、オルガ ニストの名前“梅干野安未”の読み方であると記しては不謹慎の謗りを免れないだろうか。しかし、所見でこれを正しく読める人は恐らくいないのではないかと思われるが、どうだろうか。
 
姓・名の区切り位置にも迷うが、末尾2文字を“あみ”と読むだろうと見当が付けば、問題は“梅干野”という苗字だ。“うめぼしの”か“うめひの”ぐらいしか思いつかない。
 
正解は“ほやの”と知り、魂消る。背後に如何なる論理が隠れているのか、大いに興味惹かれる。

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