以前、「一水会」なる会合に、頻繁ではないが、顔を出していた。他の出席者たちと話の波長が合わないので何時しか足が遠のいた。今でも月1回の開催案内は来るが、恐らく絶後となるだろう。
世間に知られた同名の団体が複数あり、中でも都知事の五千万円問題で関与が明らかとなった政治結社(?)は、活発なようだ。
その一水会の代表氏が思いがけない所に登場していた。宝島社『軍歌と日本人』(2007.7別冊宝島1428)というCDムックに、彼へのインタビューをまとめた“「右翼」と軍歌 右翼にとって軍歌とは「言霊の継承」であり「左翼への対抗歌」だった”が4ページにわたって掲載されている。
当然のように、彼は軍歌ファンなのだが、それなりの理屈を立てているのが面白い。当管理人などは、理屈抜きで、好きなものは好き、で納得している。つまり、聴いて心に沁みる歌は、理屈抜きで好きになるのだ。
軍歌、戦時歌謡は戦争を煽る悪い歌だから、抹殺するべきだとは思わない。これから新しい軍歌を作るのが善いことだとは思わないが、過去に歌われた軍歌を抹殺するいわれは無い。
という訳で、一水会代表氏には親近感を持った。最近の報道にあった彼の年齢から計算すると、この雑誌のインタビューの有ったころは50歳を過ぎたころだ。
若くして右翼団体の統率者になった経歴から想像されるほど激烈な風貌でもなく、語り口も穏やかなように感じられる。それで追随者が寄ってくるのかな。
“(右翼の街宣車が流す歌は)圧倒的に軍歌が多い。それは右翼は文化防衛の防人であり、それに命を賭しているからだと思います。戦場での民族、国歌(ママ)の存続のため命を賭す兵士の気持と通じるわけです。
その意味からも民族派にとって軍歌というものは、言霊を歌にしたものだった。~軍歌を歌うことで英霊の言霊を蘇らせ、精神を伝承していくのだということに最近、気付いたのです。~”
と仰るのだが、その論理は解らない。特に、“言霊”となると神懸かりの印象が強く、まさに理屈抜きの宗教的教義と受けとるしかないかも知れない。
彼の好みの軍歌:英国東洋艦隊壊(ママ)滅、青年日本の歌(昭和維新の歌)、勝利の日まで、日の丸行進曲、愛国行進曲、田原坂
「勝利の日まで」「日の丸行進曲」「愛国行進曲」の三つは知らない(思い出せない、聴いた記憶が無い)。やはり、右翼にはなれそうにない。