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橋桁落下事故~官僚的答弁~自己流原因推理

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神戸市北区の新名神高速道路の工事現場で橋桁落下した事故について、事業主体である西日本高速道路(株)の責任者らが取材に対し、“想定される事故原因”についてさえ“全く解らない”と繰り返したそうだ。報道による限り、事故当時の施工状況を全く把握していなかったと言われても仕方のないような態度だ。
 
請負工事では、受注業者が全責任を負うのが原則であるから、発注者が施工の細部まで関知しないことを非難することは出来ない。しかし、実務上は、業者から工程計画などを徴し、承認するルールが一般的ではないかと思われる。
 
責任追及につながりかねないシッポを掴まれないことを最優先しているような西日本高速社の取材対応に物足りなく、自己流で事故原因を推理したくなった。例によって、極めて限られた情報を基にするから、あまり信頼性が無いことは覚悟の上だ。
 
橋桁は今月1日までに東端が仮設台、西端がジャッキの上に置かれた。30日までに橋桁の両端をつり上げ設備(クレーン)でつり、仮設台やジャッキを撤去して約7メートル下の橋脚(東端)と橋台(西端)に設置する予定だった。
 東端は同21日以前からつり上げられたままで、22日はその状態で仮設台の解体作業をしていた。一方、西端ではつり上げ設備を建設中で、クレーンを引っかけるための鉄製の構造物「セッティングビーム」3基をこの日新たに橋桁の上に設置。ジャッキ4台とその土台で橋桁を支えていたという。西端のジャッキやその土台が、約1350トンある橋桁と3基で75トンあるセッティングビームの重みに耐えられず、落下につながった可能性がある。≫                     
(毎日新聞2016423日 1126分(最終更新 423日 1328分))

イメージ 1

 




                                                                     神戸新聞NEXT(神戸新聞NEXT)

仮置きされていた橋桁の西端側が落下したことは判るが、≪西端のジャッキやその土台が、約1350トンある橋桁と3基で75トンあるセッティングビームの重みに耐えられず、落下につながった可能性がある≫との説明には疑問がある。
 
仮設物の安定に配慮する安全率は永久構造物に対するよりも低く設定されることはあるが、それでも負荷の2倍くらいは設計上配慮するだろう。もし記事の言うように≪重みに耐えられず≫ということがあるとすれば、≪ジャッキやその土台≫が仕様を満たさない低規格品だったのだろう。
 
また、西端側を≪ジャッキ4台とその土台で橋桁を支えていた≫時間(期間)がどれほどであったかも推理上重要な点だ。数日なのか、数分なのかで推理の方向が全く異なる。短時間であるとすると、置き方が不適切だったとか、長時間であればジャッキの調節が不均一だったとかの可能性もある。
 
いずれにしても、西端側が単純に支持されていただけで、ジャッキなどの滑動・転倒防止が図られていなかったとすれば意外だ。その状態で長時間放置するなどあり得ないことだと思うが、実務経験の無い身では、断言も出来ない。
 
そのほか、理論的に想定できる原因として、東端側で吊り上げ中のクレーンの異常な操作が考えられる。その有無などはとっくに調査済みだとは思うが。
 
さて、真相や如何に。

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