興味深い新聞記事が有った。版画が主題の随筆であるが、コーヒーの歴史に及ぶ部分は読み流しでは済まされず、ネットで確認した。
日本経済新聞、20160413付け朝刊 p.36 文化面 版画いっぱい薫る珈琲愛
コーヒーの歴史や逸話、調べては彫り親子2代で作品に 奥山義人
≪ ベートーヴェンが無類の珈琲(コーヒー)好きだったことは、珈琲通の間では有名な話。。「一杯に豆は60粒」と決めていたという。
ローマ法王が1605年に珈琲豆に洗礼を施した。異教徒の飲み物であったコーヒーの飲用を教会が承認した瞬間である。≫
ベートーヴェンのコーヒー豆60粒とは、如何にも眉唾モノだと思ったのだが、どうも事実らしい。権威ある国会図書館の ≪レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
に簡潔にまとめられており、出典も明記されているので、信じてよいだろう。
何故60粒なのかも気になるところだ。ひょっとして音楽に関係が有るのかと思った。例えば、ピアノの鍵盤数など。現在のピアノは88鍵が普通らしいが、ベートーヴェンの頃はどうだっただろうと検索したところ、61鍵に始まり、78鍵まで幅が有ったとかで、この思いつきは空振り。
次の≪ローマ法王が1605年に珈琲豆に洗礼を施した≫件については、単なる伝説であることが判った。法王クレメント8世が1600年にコーヒーの飲用を容認したという伝説を更に脚色したものらしい。この法王は実際コーヒー好きだったらしい。1605年3月3日に亡くなっている。