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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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藤田嗣治~戦争画家~アッツ島玉砕

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今朝、テレ番の見出しが目に付いた。「試写室 嗣治からの手紙」で、画家・藤田嗣治の戦時スタイルのスナップと手紙断片の画像が目に飛び込む。
 
解説に“~代表作「アッツ島玉砕」~”とある。絵画に特段の興味は持っていないが、「アッツ島玉砕」は無視して通れない。我が叔父が玉砕者の一人だから。
 
医師だった叔父は、運の悪いことに、軍医として前任者と交代に赴任して間も無く玉砕戦に巻き込まれたのだった。という訳で、この番組を見ておきたい誘惑に駆られ、何年振りかでTVを自発的に視た。
 
最近のTVはリモコンで操作するが、HDDだの、DVDだのが接続されており、それらを一つのリモコンで操るのだから、実にややこしい。ということは解っていたから予め目的のチャンネルをセットしておき、視聴した。
 
番組関連サイトから引用:
 
藤田嗣治が友人に宛てた未公開の手紙には、戦争に翻弄された画家の流転の生涯がにじむ。藤田の心情を読み解き、「画家は戦争や...少年時代から画家を志していた藤田は明治43年東京美術学校洋画科卒業。大正2年(1913)に渡仏。(http://www.minkyo.or.jp/01/2014/01/28_1.html
 
戦争画家の頂点に立つが如き名声を博した藤田は、この番組では、“必ずしも戦争を賛美したのではない”ものとされている。当管理人も、番組に誘導されて、“画家は、感じ取ったものを職人として立派に描く立場にある”だけだと納得した。
 
番組の終わりに、藤田と直に交流していた後輩画家が、 “画家は職人なんだよ”という藤田の言葉を紹介していたのには驚いた。手に技を持っているだけと、やや低く見るニュアンスのある呼称を自らに冠した藤田は、逆にプライドを込めて職人と言ったに違いない。
 
番組の制作意図に関係することだが、紹介された藤田の戦争画には、確かに皇軍の輝かしい勝利を綺麗に描いたものは無かったように思う。どちらかと言えば、戦争の苦しさ、厳しさ、残酷さが強調されている。ただし、その中にあっても、皇軍兵士の勇猛果敢な突撃は欠かせない。それが無ければ、軍部が藤田を認めることは無い。
 
相模原に疎開していた藤田が、世話になった近所の人達に絵を進呈しており、出征する若者への餞別画(?)の絵柄が、“豆に蛙”だった。このように漢字交じりで書くと単にユーモラスなだけだが、実は“まめに帰る”の意味だったそうだ。“元気で帰って来いよ”と。
 
思想統制の監視の目を欺く巧みな表現だったというのだが、その当時から、絵を貰った方も了解していたのか。それとも、後からこじつけたのか。
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