“合唱団の発声練習で、「アーエーイーオーウー」とやらされたものだが、これは別の観点から並べられたのか”と呟いたのは約3年半前だった(いろはにほへと~あいうえお~これも古い 2012/8/23(木))。
その時はYumejiさんから“発声練習の「アーエーイーオーウー」は語学練習での舌の位置や口の開きの順番・循環を示しているのだと思います。連続性を維持して滑らかに母音を変化させる。”とコメントを頂き、一件落着となった。
その前も後も、「アエイオウ」は日本語の問題であるとしか意識していなかった。
つい最近、何か(新聞だったか?)に、
≪オーストリアのグラーツはシュタイアマルク大公フリードリッヒ三世が神聖ローマ帝国の首都としたところで、町の家々の壁には大公の座右の銘 A. E. I. O.U. が見出だされる≫というような記述を見付けて一瞬目を疑った。
「A. E. I. O.U.」は、ドイツ語読みでほぼ「アーエーイーオーウー」だ。どちらかが他方の起源だなどということがある筈は無い。つまり、全く他人(他語?)の空似に決まっているのだが、そもそもA. E. I. O.U. とは何だ。
Wikipedia に解説があった。「A. E. I.O.U.」は、皇帝フレデリック三世Frederick III (1415–93)の好んだサインであるらしい。その5文字が何を意味するのか、彼は長らく明かさなかったが、死の直前に“Alles Erdreich istÖsterreich untertan”というドイツ語の略であると告げたとか。
“世界はオーストリアの支配下にある”
しかし、当時から既に、ラテン語による一種の政治的スローガンの略語であるとの説などが唱えられていたそうだ:
Austria est imperio optime unita オーストリアは最も強固に統一されている帝国である
Austria erit in orbe ultima オーストリアが最後に残る
Austriae est imperare orbiuniverso オーストリアが全世界を統治する定めである。
いずれにしてもオーストリアの優越を宣言している。あるいは、願望と言うべきか。
今でも A. E. I.O.U. は同国の陸軍士官学校の標語であるらしい。