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ニュース不可解②~メディア他社~当局プレスリリース

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昨日の投稿≪ニュース不可解~新品種コメ検査~検査日後送り虚偽≫で吐露したニュース消化不良に拘り、追加情報を探索した。
 
先ず、メディア他社の報道ぶり:
 
JA北央に改善命令 米検査実施日を虚偽報告 /秋田 毎日新聞2016326日 地方版
 
東北農政局は25日、新品種の米の検査実施日を虚偽報告したとして、JAあきた北央(北秋田市)に農産物検査法に基づく改善命令を出した。
 農政局によると、同JAは昨年市場に出回った新品種「秋のきらめき」「つぶぞろい」の品質を初めて検査した際、銘柄などを事前に届け出る「業務規定」変更手続きを実施していなかった。
 このため、変更前の2014年10月に2回にわたって検査した約5・4トンの実施日を、変更後の15年2月27日に改ざんして農林水産相へ報告した。検査内容の不正は確認できなかったという。同JAに、再発防止策などを報告するよう求めた。≫
 
こちらの方が解りやすい。読者の知りたい要点を心得た書き振りだ。特に、“検査内容の不正は確認できなかった”ことの特記は気が利いている。単なる書類上の形式犯に過ぎないのかどうかは誰しも気になるところだ。Yumejiさんがコメントに於いて注意喚起された≪コメの出荷≫に関して記述があればもっと良かった。
 
ついでに、官側の発表も確認した。物好きにも程があると顰蹙を買いそうだが、全文を収録しておく:

≪平成28325日 東北農政局
農産物検査法に基づく登録検査機関に対する改善命令について
東北農政局は、農産物検査法(昭和26年法律第144号。以下「法」という。)に基づく登録検査機関であるあきた北央農業協同組合(法人番号5410005003225。秋田県北秋田市川井字才ノ神65-1。以下「あきた北央農協」という。)が、不適正な報告等を実施した事実を確認しました。
このため、あきた北央農協に対して、本日、法第23条に基づき、法及び法第21条第1項に基づく業務規程の遵守の徹底等を旨とする改善命令を行いました。
経過
東北農政局が、平成261017日から平成271218日までの間、あきた北央農協に対し、法第31条第2項に基づく立入調査を実施した結果、あきた北央農協が、平成26101日及び28日に農産物検査を行った182袋(30kg入り紙袋)について、あきた北央農協の農産物検査員が、事実と異なる平成27227日に農産物検査を実施したものとして、農林水産大臣への報告書等について虚偽の書類を作成したことを確認しました。
措置
上記の行為は、法第20条第2項及び第3項の規定に違反することから、法第23条に基づく改善命令を行うこととし、平成2834日に行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項第2号の規定に基づく弁明の機会を付与したところ、あきた北央農協より、弁明しない旨の文書の提出があったことから、本日、あきた北央農協に対し、別紙を内容とする改善命令を発出しました。 
 
(別紙)
登録検査機関あきた北央農業協同組合に対する改善命令の概要
事業者の概要
登録検査機関名:あきた北央農業協同組合(法人番号5410005003225
代表者:代表理事組合長疋田俊一郎(ひきたしゅんいちろう)
所在地:秋田県北秋田市川井字才ノ神65-1
設立:平成13年8月31日(農林水産大臣の登録)
業務内容:米穀の農産物検査、米穀の集荷・販売等
改善命令の内容
(1) 直ちにあきた北央農業協同組合の各事務所において、農産物検査の実施が適正に行
われているかを点検し、不適正な行為が確認された場合は、直ちにこれを是正する
こと。
(2) 今後、実施する全ての農産物検査について、農産物検査法(昭和26年法律第14
4号。以下「法」という。)及び法第21条第1項に基づき自ら定め農林水産大臣に
届け出た農産物検査業務規程(以下「業務規程」という。)に従い適正に行うよう、
あきた北央農業協同組合に所属する農産物検査員及び全役職員に対し、法及び業務
規程について啓発を行い、その遵守を徹底させること。
(3) 今般の不適正事案の発生原因を究明・分析し、その結果を踏まえ、あきた北央農業
協同組合における農産物検査の適正な実施に関する責任の所在を明確にすること。
また、不適正事案に関与した農産物検査員を確認の上、その者に対し、法令遵守
の再教育を徹底し、適正な農産物検査業務を実施できる状態になったことを農林水
産省が確認した上で農産物検査業務に従事させる等、法令遵守のチェック体制の再
構築・強化等の再発防止策を講じること。
(4) (1)から(3)までに基づき講じた措置の内容について、平成28年4月25日までに
農林水産大臣宛てに文書で報告すること。
 
 
(参考)  農産物検査法(抄)昭和二十六年法律第百四十四号
(農産物検査の義務等)
第二十条登録検査機関は、農産物検査を行うべきことを求められたときは、正当な理
由がある場合を除き、遅滞なく、農産物検査を行わなければならない。
農産物検査員は、公正かつ誠実にその職務を行わなければならない。
登録検査機関は、農産物検査員が農産物検査を実施したときは、農林水産省令で定
めるところにより、遅滞なく、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告しな
ければならない。
(業務規程)
第二十一条登録検査機関は、農産物検査の業務の開始前に、農産物検査の業務の実施
方法、検査手数料に関する事項その他の農林水産省令で定める事項を内容とする業務
規程を定め、農林水産大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様
とする。
()
(改善命令)
第二十三条農林水産大臣は、登録検査機関が第二十条の規定に違反していると認める
とき、又は登録検査機関が行う農産物検査若しくは第十三条第一項の規定による表示
若しくは検査証明書の記載が適当でないと認めるときは、当該登録検査機関に対し、
農産物検査を行うべきこと又は農産物検査の方法その他の業務の方法の改善に必要な
措置をとるべきことを命ずることができる。
(調査)
第三十一条農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、農
産物の生産者、輸入業者、売買取引業者等若しくは倉庫業者のほ場、事務所、販売所、
事業所、倉庫若しくは工場に立ち入り、農産物若しくは帳簿、書類その他の物件を調
査させ、又は関係者に質問させることができる。
農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、登録検査機
関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件
を調査させ、又は関係者に質問させることができる。
(略)
(略)≫ 
 
実質的に意味のある情報としては“平成261017日から平成271218日までの間”にJAへの立ち入り調査を実施したということぐらいしか見当たらない。
 
監督官庁へ提出する書類に虚偽の記載をすることは許されない。形式犯だからと見過ごし続けると、不正行為に対する歯止めが効かなくなる恐れがある。その意味で今回の≪改善命令≫は当然の措置である。
 
しかし、その規定違反行為が消費者等第三者にたいして何ら実害を及ぼさない(及ぼさなかった)のであれば、わざわざプレスリリースする必要があるのかとも思う。JAに対して警告を発する意味はあるだろうが、市民にはイマイチ(当管理人のように)ピンと来ないのではないか。
 
そこでつい、本当は裏に何か隠されているのではないかと勘ぐってしまうのは、我ながら悪い癖だ。毎日紙の“検査内容の不正は確認できなかった”という記述は、その辺りを暗示しているのかも知れない。“確認できなかった”けれども“灰色”だったと。

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