ひょっとすると当会最後の“公開演奏会”になるかも知れない今日の≪第30回 アカデミー向丘まつり≫での発表は、別の意味で記念すべき演奏会となった。
開演定刻に来場者ゼロだったのだ(空前であり、絶後かもしれない)。厳密には、先生のお嬢さんが一人ちょこんと着席していたので、“○○ちゃんのための特別コンサートよ”などと強がりを言ったか言わなかったか、一応主催者の実行委員長さんに“始めてよろしいか”と念を押すと、“ちょっと待て”と、急いで集客に走ってくれた。
やがて数人が着席したが、主催者側と後続出演者の方々であった。とにかくお客さんがいらっしゃったので予定のプログラムを粛々と進めた。一旦始めて見ると、閑散とした会場でも歌い方に好ましからざる影響の無いことが判った。力が抜けた分だけ出来が良かったかもしれない。
次のグループの演奏にもお客さんは疎らであったが、我々6~7人が残留したので、まだマシだった。彼らの三十分ほどの演奏が終わって喫茶室の前を通ると、そこには人が大勢で賑やかであった。知らぬ他人の下手な音楽演奏など聴くよりは、コーヒーでも飲んで寛ぐ方が有意義だとお思いなのだろうな。無理もない。
昨年までは古い施設で実施してきた≪アカデミー向丘まつり≫での発表には、ほどほどにお客さんがいらっしゃった。今回は新築の施設での最初の開催である。施設の管理運営は、第三セクターへの委託から区役所の直営に変わった。明らかに敷居が高くなり、以前のように和やかに寛げる雰囲気ではなくなった。≪まつり≫への来場者が激減したことは想像に難くない。
来年以降も継続するには、よほどの工夫が必要だろう。当会も引き続き参加するか、撤退するか、瀬戸際だ。
本日のプログラムは一昨日の≪フェア≫の一部を少し入れ替えただけだが、来客ゼロを記念して、永久保存としよう:
いとしやクレメンタイン 山田昭郎 訳詞/アメリカ民謡
言ひ傳へ 中田羽後 訳・作詞・編曲/チャイコフスキー 作曲
われら愛す 芳賀秀次郎 作詞/西崎嘉太郎 作曲/山田耕筰 編曲
忠犬ハチ公 小野進作詞(山田昭郎補作)/小田島次郎作曲
カチューシャの唄 島村抱月 相馬御風 作詞/中山晋平 作曲/宮崎滋 編曲
ゴンドラの唄 吉井勇/中山晋平/宮崎滋
た ん ぽ ぽ 作詞門倉詇 作曲堀越浄
どこかで春が 作詞 百田宗治 作曲 草川信