都心の大学構内に生えているナツミカンの木には黄色い実が通年生っていて、自然落果も常時あるような気がする。どれもカビが生えたり、虫が食っていたりする。最近その落果が増えているようにも見える。
舗装の上に転がっていた実を一つ蹴って転がしてみたら、表皮の黒ずみはあるが、虫食いは無さそうだったので、拾って持ち帰った。洗って一旦冷蔵庫に入れ、一日経ってから試食した。味は上々、全然酸っぱくない。これは売り物になると思った。
毎年落ちて腐って、ゴミになるだけのナツミカンをその大学の名物にして、財政にも貢献できるのではないか。惜しむらくは、木の本数が少なく、実効は微々たるものに留まりそうだ。話題性はありそうだが。
そこで、気の長い話だが、この美味しいナツミカンを商品化するために木を増やしたらどうだろうか。挿し木や接ぎ木で増やすのが普通だろうが、試食した際に既に発根している種子を何個も見つけたので、これなら素人でも実生で増やせそうにも思える。
早速実験に取り掛かった。鉢もスペースも無いので、小さな菓子の配列収納に使われていたプラスチック板を廃物利用に及んだ。ただ水に浸すだけで実験と称するのもおこがましいが、STAP騒動も懐かしく、暫くは楽しめそうだ。