昨日は久し振りに丸の内のランチタイムコンサートを楽しんだ。いつもより大勢の聴衆が時間前から椅子席を取り巻くように屯していた。関係者の力の入れようが伝わる雰囲気であった。主催者サイトでは次の通り予告されていた:
“ドイツ・リートの深遠な響きベルリン、オペラの詩(クラシック)、
西口彰子(ソプラノ)、糸賀修平(バリトン)、石野真穂(ピアノ)”
プログラムは次の通り:
1 R.シュトラウス:何も [西口]
2. バラのリボン [西口]
3. 愛について固くよろわれた [糸賀]
4.ドニゼッティ:≪愛の妙薬≫
いとしい妙薬よ [二重唱]
5. 人知れぬ涙 [糸賀]
6. ≪ドン・パスクァーレ≫
あの騎士の眼差しを [西口]
7.ベッリーニ:≪夢遊病の女≫
そよ風にも嫉妬を感じ [二重唱]
8.アンコール 「オー・ソレ・ミオ」 [二重唱]
糸賀の歌声を聴いて、アレ、と思った。明らかにテノールの声である。最近、バリトンからテノールに転向したのか?会場配付のチラシを見ると、テノールとなっていた。ネット予告の入力ミスだったようだ。
会場が賑っていたのは、主として糸賀のファン(応援団)が詰め掛けたことによるものと思われる聴衆の反応だった。そもそもこのコンサートは、彼のデビュー宣伝の性格が濃厚である。彼の素晴らしい声を存分に聴かせる選曲となっている。声を長く引きながら途中で膨らませて、また細くしながら曲を収める妙技も披露した。
西口は引き立て役に徹していたようだ。しかし、変な譬えだが、才能は“隠すより現る”で、これまた凄いソプラノが現れたものだ。抜群の安定感に支えられて、ハイF(高い高いファ)を朗々と響かせる。海外での活動から日本に拠点を移して間もないとのことで、コンサートなどの宣伝は無かったが、これから楽しみな歌手だ。