原曲は Glorious Apolloグローリアス・アポロ(SamuelWebbe, Sr. (イギリス)1782作曲)で、1860年代にアメリカで讃美歌や日曜学校唱歌に転用されたとある。『小学唱歌集』の編纂に大きな影響を与えたアメリカの音楽教育家L.W.メーソンの『学校用讃美歌集』(1880)でも転用されているとも。
早速、国会図書館のディジタルコレクションで原本の画像を入手した。楽譜の一部は不鮮明だが、ほぼ見当は付く。メロディーを辿ると、「君が代」という先入観の所為か、如何にも邦楽の系統かと思わせる優雅さがある。戦争を想起させる現「君が代」に代えて国歌(の旋律)に採用しても良さそうな秀作だ。
歌詞も独特だ。現「君が代」の4倍ほどの長さ(第2節まで)がある。
君が代 明治14年(1881年)11月24日発行『小学唱歌集初編』
一 君が代は。ちよにやちよに。さゞれ
いしの。巌となりて。こけのむす
まで。うごきなく。常磐かきはに。
かぎりもあらじ。
二 きみがよは。千尋の底の。さゞれ
いしの。鵜のゐる磯と。あらはるゝ
まで。かぎりなき。みよの栄を。
ほぎたてまつる。
( d-score による。)
などと、この「君が代」に初めてお目に掛かったように記したが、北国の《さくらの会》活動の中で「君が代」コンサートまで計画した経緯からして、既知の筈である。PC内を調べたら、楽譜画像ファイルが見付かった。ただし、原本画像ではなく、見易く書き直したものだった。
他にも「君が代」関連で調査メモが相当量“発掘”できた。殆ど忘れているから“発掘”の表現がピッタリだ。こんなことの繰り返しが段々多くなるかと思うと、心を秋風が吹き抜ける。