船橋駅の近く、住宅街の中の一軒家風の目立たない音楽スタジオで、ソプラノ・林田さつきのコンサートを聴いた。彼女は当ブログに2度目の登場だ(前回は 2013/11/14(木))。
作曲家・宮崎滋氏主宰の≪おしゃべりコンサート 第97回≫とあるから、間もなく百回目を迎えることになる。プログラム裏のスケジュールによれば、第100回コンサートには、ソプラノ・岩見真佐子が出演予定である。記念すべき節目に重鎮を充てる意図かと思われる。彼女は当ブログに3回登場している。
林田は円熟期と言うのだろうか、安心して聴いて居られる。自分の声質・声域に合わせた適切な選曲なのだろう。トークでも意味ありげな発言があった:
“ラ・ボエームのムゼッタはソプラノでも軽い声の役で、自分は何十回も歌って来たが、今回初めて、深みのある声向きの、ミミのアリアを歌う。キャリアに相応しい役にも取り組んだらどうかという宮崎氏のアドヴァイスによる。”(表現はともかく、このような趣旨の発言。)
こじんまりとした会場は定員50人だそうで、ほぼ満員であった。エアコンの効きがイマイチで、やや蒸し暑く、演奏家には良いコンディションとは言えなかったが、サーヴィス精神あふれる林田の熱唱は良かった。
アンコールには宮崎作曲の「未来へ」を、口笛の夕部奈穂を特別ゲストとして歌った。最後は定番、会場全員による「ふるさと」で締めた。その最後の最後にも林田は高音で魅了した。
夕部嬢は受付で入場料徴収を受け持っていた。謙虚な人だ。
ところで、「あんたがたどこさ」が熊本民謡としてプログラムに載っているのだが、熊本出身の林田は何の疑いも持っていないのだろうか。