我がパートナーの母親(88)が数年前から介護老人ホームに入居している。いわゆる痴呆が進行しており、己の娘や孫を正しく認識できない。それでも、彼女ら来訪者にはそつなく対応する本能は失われていないと言う。パートナーは月3~4回慰問しており、今日も会いに行って来たのだが、施設の職員だと思われていると苦笑する。
視力も衰えたので、読書は勿論、TVを視ることも無いと言う老女だが、歌を歌う時は俄然元気になり、仲間のリーダー格だと言う。「荒城の月」が十八番で、大きな声で歌うそうだ。やはり名曲なのだな。
人の心に直に働きかける歌の力は、夙に諸人の認めるところだ。今、当管理人などは単純に、歌が楽しいから、あちこちの合唱グループに顔を出しているのだが、いずれ脳の機能が衰えた暁には、歌唱活動に連れ出して貰って微かにでも輝きを放ちたいものだ。
そのためにも、合唱趣味の守備範囲は、安易に縮小してはいけないと自戒する。時々面倒臭くなったり、空しくなったりするのだが。
合唱グループのための調査、資料収集、楽譜準備、会場手配などのお仕事は、“他人の為ならず”か。