昨年(音楽ホールデビュー~自画自讃~地味の評 2014/1/20(月))に続き「文京区合唱のつどい」に参加した。今回は本職のピアニストに手伝ってもらい、望先生にはヴォーカルに加わって頂いた。という訳で、吹けば飛びそうな弱小《愛唱会》にしては、ずいぶん立派なステージとなった。
平成26年度《文京区合唱のつどい》
区内で活動する合唱サークルの皆さんが、日頃の練習の成果を発表します。
開催日: 平成27年1月18日(日曜日)午前11時開演 午後7時終演(予定)
場所: 文京シビックホール大ホール 入場料: 無料
当会の発表曲は次の通り:
森鷗外詩「沙羅の木」による3作品(信時 潔、小松耕輔、下総皖一)のメドレー
北原白秋詩「ペチカ」による2作品(山田耕筰、今川 節)のコンポジション
「沙羅の木」のメドレーは、文字通り3作を歌い継ぐもので、小松耕輔の独唱ヴァージョンには単純なハミングを付けて“合唱”に偽り無きよう計らった。そのメロディーは望先生に立派に歌って頂いた。小松が渡仏する前、血気にはやっていたに違いない若い頃の作品で、プロ向きの歌曲だ。半音階が多く、無調音楽に入り掛けの雰囲気がある。
「ペチカ」の“コンポジション”とは、苦心の命名である。これは何だと訊かれると一瞬詰ってしまうだろう。そもそも、音楽用語として正しい使い方なのかどうか、無責任ながら、知らない。
その実態は、山田ヴァージョンの中間部を今川ヴァージョンの中間部で入れ替えたものである。今川ヴァージョンは独唱譜だったので、簡単な二部合唱に仕立てた。
このような乱暴な継ぎはぎなのに、あまり違和感を催さないので、今川が山田の影響下に作曲したことを想定させるのである。以前にも書いたが、“ペチカ”は、“ピイェーチカ”と発音した。しかし、聴く人にどれほど伝わっただろうか。思い込みが有ると、そのように聞いてしまうのが感覚の不思議なところだ。
今回の《つどい》は、例年と違って、他団体の演奏を鑑賞する時間的な余裕が無かった。齢の所為で根気が無くなったのが本当のところかも知れない。来年も参加できるだろうか。