詳しいことは知らないが、このところ政府筋あるいは政権党辺りから、マスコミ各社への注文があるらしい。“公正な報道を”求めるという一見尤もな内容だそうだが、政治情勢の微妙な時期にわざわざそのような文書を送りつける意図を各社当然に汲み取るわけで、政権のご機嫌を損ねそうな報道を控えることが期待されていると知れる。
一党独裁に近い現状で、“公正な報道”と言えば、抹殺されそうな反対勢力の声をしっかり拾うことだと思うのだが、実際はその逆の狙いを持ってマスコミに脅しをかけていることになる。何故脅しになるのだろうか。政権に逆らうと何かにつけ不利な扱いを受けるという不安があるからだ。具体的にはどのようなことかは関係者には解っているのだろう。
政府の意向に逆らうとどうなるかをあからさまに見せつける出来事が続いている。政権寄りの候補者を拒否した沖縄に対するイジメや嫌がらせが露骨に行われている。沖縄の有権者の多数の支持を得て当選した知事との面会を拒否するなど、とても大人の態度とは思えない。全く子供じみている。
沖縄振興予算を大幅に減額するとも伝えられた。言うことを聞かなければカネを回さないぞとは、えげつなくも己の下品さを誇示しているような、こんな政府を国民は戴いているのだ。選挙制度の仕掛けにもよるとは言え、国民の選択の結果であることに絶望してもおかしくない。
強者・勝者の寛容や寛大など、昔話となってしまったのかな。
選良に強大な権限を付与する間接民主制にいつまでも拘泥し続けるべきではない。直接民主制で重要事項を個別に有権者に決めさせることがITの進歩で可能になっているのだ。偶々選ばれた個人の信条や趣味によって重要事項が左右される不合理な仕組みは速やかに改めるべきである。
しかし、権力のうまみを知った連中が、それを手放す改革を容認する訳は無いから、空しいなあ。コーラスに癒しを求めるとしよう。