クリスマス・ソングを歌う月に入った。今年は割とヒマな師走で、コンサートの出番は2回しか無い。それでも練習の量を減らすことは出来ない。定番のキャロルなどでも、年ごとに別編曲で歌うことも多い。
外国語で歌う場合には、いつも発音で苦労するのだが、その苦労の種が尽きないのも不思議だ。今年は、 year で迷った。片仮名で“ハッピー ニュー イヤー”と言い慣れているから、year は“イヤー”が歌い易い。しかし、発音記号では /jí*r/となるように、“アー”が強調されるのはどうかと思われる。(発音記号の * は、e を半回転させた所謂アイマイ母音)
ネイティヴの歌を聴いてみると、“イアー”も“イーア”もある。ただし、長く伸ばすときは、“イーア”が良さそうに思われた。末尾の“ア”は弱い。
もう一つ悩んだのは listen だった。この一語に音符が2個割り当てられていて、lis・ten 二分しなければならない。辞書での発音記号は /lísn/で単音節だ。学校文法に忠実であろうとすれば、これは“リー・イッスン”とするしかない。母音は長母音の“イー”だけとなる。これではぎこちない。
ネイティヴさんのお手本を聴くと、“リー・スーン”或いは“リー・スンー”のように聞こえる。つまり、辞書には書かれない母音を伴うのだ。日本式の発音で歌ってよいのだ、この場合は。
小生の貧弱な経験だが、フランス語の歌(いわゆるシャンソン)など、辞書にはない母音がふんだんに発音されているようだ。