東北大学の広報誌「学びの杜」2014年秋号(No.69)に≪アインシュタインの東北大学訪問≫なる記事がある。その中に、アインシュタインと土井晩翠との出会いが取り上げられ、“自分を讃える詩を晩翠から贈られたアインシュタインは”との記述がある。
土井晩翠の「アインシュタインを讃える詩」があったとは知らなかった。相対性理論の物理学者と荒城の月の詩人とは面白い取り合わせだ。詩人が相対性理論を理解したとは思えないが、偉大な物理学者への関心は人並み以上だったに違いない。
とにかく、「アインシュタインを讃える詩」を見なければ落ち着かないという訳で、検索を尽くしたが、インタネットでは見付けられなかった。そこで、「学びの杜」の発行元である東北大学の広報課にお尋ねしたところ、同大図書館のレファレンスサービスに取り次がれ、その調査結果から、詩文の掲載されている資料を知る事が出来た。
アインシュタインの来日(1922年11~12月)当時の新聞に分割掲載されたとの情報を得たものの、これは簡単には閲覧できない。もう一つは「晩翠放談-七十七年を語る-」(昭和23年)で、こちらは近くの公共図書館に所蔵されていないので、やはり見る能わず、で頓挫していたところ、偶々北国の図書館で閲覧でき、目的の詩「アインシュタインに」を見付けた。ところが、複写禁止だと言う。仕方なく、携帯電話のカメラ機能に縋ることになり、小さい画像を確保した。何とか読めそうだ。
因みに、ネット検索では、“アン・デン・グロウセン・アインシュタイン”のようなタイトルが散見される。“An den großen Einstein”であることは明らかだが、どこかにドイツ語訳があることを意味するのか。今度はそれを探索しなければ気が済まない。因果な性分だな。