バスをよく利用するようになって、いろいろ経験し、毎日飽きない。昨日は、到着したバスにぞろぞろ乗り込んだ最後に、当管理人とオジサン一人が残った。互いに謙譲の美徳を発揮して顔を見合わせた、と思った。
“どうぞ”と先に乗るよう勧めると、立ち止まったまま“俺はドーテーだから”と仰る。“童貞だから最後に乗る”という意味にしか取れず、返す言葉が無かった。
当方の当惑振りを察したか、彼のオジサン、言い直してくれた。“俺は○○ドーテー行きだから”と。ドテ(土手)だったのだ。
この停留所に来る別系統のバスをお待ちだったのだ。何故ドーテーと聞こえたのか不思議なことだ。強調して母音が伸びたのか。当方の脳が異常なのかも知れない。用心しなくちゃ。
バスに乗ると視線が高くなり、普段の街歩きで気付かないものが見えることがある。きょうは目的の停留所の直前で信号待ちの間、ビル前庭の植木の上の方に白っぽい花の咲いているのが目に付いた。メガネ無しでピントがボケているがどうもハナミズキかヤマボウシに見えた。
降りてから近くで確認したらヤマボウシだった。普通は初夏に咲くこの花が秋に咲く現象は以前から見ていたものの、一応何故だろうかと考える。先ごろ、気温が日増しに高くなる時期があったから植物も騙されたのだろうか、などと。