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イギリス~海藻料理~ハヤイビス

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日経新聞の夕刊に《島原のイギリス、英国とは無縁》という面白そうな記事が載ったのは十日ほど前だった。「イギリス」とは、島原半島の郷土料理の名前だと言う。記事によれば、海藻のイギスを煮て融かし、魚肉や野菜などの具材を混ぜ、味付けの後、冷やして固めた食べ物だ。イギスがイギリスに転訛したことは容易に納得できる。
 
イギスは時々新聞などに登場する。初めてお目に掛かったのは十数年前だったと思う。瀬戸内海地方特産の海藻のように覚えていたが、その後、全国各地にあるものと判り、北国でも食され、販売されていることを知った。
 
今回の「イギリス」でふと気が付いたのだが、我が古里で「はやえびす」ないし「はやいびす」と呼ばれた素朴な郷土料理も、イギスに由来するのではないか。「はや」は速成を意味するのではなかろうか。記憶では、海藻から作った寒天を溶かして、イギリスと同じような食べ物を作る。正月料理の一部だったと思う。古里ではイギスよりもテングサあるいはその加工品である寒天の方がありふれた食材だったのだろうか。
 
イギスがイビスないしエビスに転訛する過程も容易に想像できる。昔の地方の人にとっては、ギよりもビの方が発音し易かっただろう。イよりはエの方が言い易かっただろう。
 
記憶では、「ハヤイビス」又は「エビスさん(エビッサン)」と呼ぶのが普通だった。「エビス」は言い易いが、「イビス」だと「速(ハヤ)」との複合で「ハヤイビス」の方が楽に発音できたのではないか。(ハが低く、ヤイビスが高く発音される。)
 
なお、最近北国で見付けた商品には「いげし」と表示されていた。
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季節外れのヤマボウシ

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