後藤暢子「山田耕筰」に、耕筰は「ジャスラックの歌」というのを作曲したと書かれている。ジャスラックの設立に関係した縁によるらしい。ネット検索したところ、日本音楽著作権協会創立25周年記念歌(作詞:西条八十)であると判明した。
ジャスラックのHPによれば、その設立は1939(昭和14)年11月18日だそうだから、25周年は1964年のことだ。ということは、「ジャスラックの歌」は、耕筰の最晩年の作品の一つと言っていいのだろう。ジャスラックの管理する作品として登録されている。
どんな歌なのか、その片鱗でも判ればと思い、更に検索したが、皆目判らなかった。国会図書館の検索機能でも引っ掛からない。ということは、耕筰の作品全集にも収録されていないと考えられる。つまり、出版されていないのだろうから、一般人の目に触れることは有り得ないと考えられる。
日本音楽著作権協会創立25周年記念のパンフレット類か年史に掲載されているとしても、それを見る機会のある人は組織内部か周辺に限られるだろう。よほど奇特な研究者がそれを“発掘”して世に紹介しない限り、日の目を見ることは無いだろう。
尤も、“協会創立25周年記念歌”だから、式典で演奏されれば目的を達したことになるとも考えられる。敢えてほじくり出す必要も無いということか。
なお、同名、類名の歌が複数存在するようである。