NHK制作の復興支援ソング「花は咲く」の英語版を三部合唱譜に落とす作業について書いたのは、ちょうど3か月前だった(2014/3/12(水)、2014/3/15(土)、2014/3/19(水))。漸く今月から練習に取り掛かることになったが、改めて IL DIVO の音源を聴いていたら、気になる所が出てきた。
“真っ白な雪道に春風香る
わたしはなつかしいあの街を思い出す
叶えたい夢もあった 変わりたい自分もいた
今はただなつかしいあの人を思い出す”
に対応する英訳詞は、
“My heart goes out to you
When the winter snows give way to spring
My heart is longing now
Longing for the town where the happiness had been.
Been a place of hope and of dreaming too
Been a home where my heart always went back to you
But for now I only dream
Of the people who I loved and knew.”
When the winter snows give way to spring
My heart is longing now
Longing for the town where the happiness had been.
Been a place of hope and of dreaming too
Been a home where my heart always went back to you
But for now I only dream
Of the people who I loved and knew.”
となっている。
このうち、“But for now I only dream”の“I”が、IL DIVO の音源では、“wh’I”のように聞こえたのだ。単なる雑音、息遣いの類いかも知れない。仮に、“wh’I”と歌っているとすると、“wh’”は何か。歌詞に戻って愚考を廻らすならば、“where”の略であるとして理屈が通る。つまり、
“Been a home where my heart always went back to you
But for now (a home) where I only dream ~”
But for now (a home) where I only dream ~”
という構文であると見做せば辻褄が合うわけだ。ただ、“where I”の2語を八分音符1個に押し込めたため、もともと省略可能な“where”が退縮して、“wh’I”(why)のような発音になった、というのが回りくどい結論だ。
考え過ぎかも知れない。本当のところはIL DIVO に訊いて見なければ判らない。折角エネルギーを費やして到達した結論だから、今度歌う時には“But for now wh’I only dream”としよう。
なお、3か月前に“この翻訳は日本人の仕事だろうか。もしネイティヴの作文だとしたら、当方は恥じ入るしかないのだが、学校英文法の知識に基づけば、疑問のある英文だ”と書いた。
英詞の作者は、NHKサイトに、“English Lyrics: Roger Pulvers”と表記されていることを知っても、疑問は捨てられない。学校英文法の呪縛は恐ろしい。