その時は、松本明子さんの解説に拠り、標記3種と「ペテルブルグのトロイカ」の計4種を挙げた。その伝で「第5のトロイカ」とも言うべき曲が某サイトに最近紹介された。
“Тройка ("Что ты жадно глядишь на дорогу...") Тройка («Что ты жадно глядишь на дорогу...»)トロイカ(「何を熱心に道を見ている···」)”という。作詞は有名なネクラーソフ、作曲者は不明だそうだ。歌詞と和訳を、これまた某サイトから孫引きすれば次の如し:
Что ты жадно глядишь на дорогу | なにをおまえは貪るように道を眺めているのか |
В стороне от весёлых подруг? | 陽気な女友達たちから少し離れて? |
Знать, забило сердечко тревогу - | きっと心臓が胸騒ぎを起こしはじめたのだ、 |
Всё лицо твоё вспыхнуло вдруг. | おまえの顔は満面ぱっと赤くなった。 |
И зачем ты бежишь торопливо | なぜおまえは急いで走っていくのか |
За промчавшейся тройкой вослед?.. | 疾走して通りすぎたトローイカのあとを追って? |
На тебя, подбоченясь красиво, | おまえに、麗しく身を反らして両手を腰にあてながら、 |
Загляделся проезжий корнет. | 通過する騎兵少尉が見惚れた。 |
~ ~
歌詞は7番ぐらいまであるようだ。若くて格好いい軍人が疾走するトロイカの上から道端の乙女に見惚れるような眼差しを向ける。目ざとく気付いた娘があわよくばと、視線を返す。しかし、通り過ぎるトロイカのように、娘の夢多き青春も忽ちに過ぎ去り、思いもよらなかった、地を這うような一生を送ることになるだろうよ、、、、。
曲はゆったりとした抒情歌の趣で、日本人好みと言える。それにしても、よくまあ、無限の宝庫のようなロシア民謡の世界を極め(ようとす)る(日本)人が居るものだなあ。