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白薔薇の匂う夕べは ~ 楽しめよ(Freut euch des Lebens)~ 讃美歌The Rising Sun

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先月末、某施設での歌う会で紹介された「白薔薇の匂う夕べは」(高橋信夫詞、ネーゲリ 曲)なる歌は初聴きであった。親しみ易いメロディーなので、ネット検索したところ、次のような情報が得られた(国会図書館のレファレンス事例):

 
『白バラの匂う夕べは』(あるいは『白バラは雨にぬれて』)という曲について

資料1『賛美歌・聖歌ものがたり』(大塚野百合創元社 1995
pp.30-31
 「「楽しめよ」と多くの賛美歌曲」の項に,以下の記載があります。
「彼の歌で最も有名なものは,「年たつ今朝」の原曲「楽しめよ(Freut euch des Lebens)」です。(中略)現在では,高橋信夫作詞の「白ばらの匂う夕べは」という歌詞で歌われています。」

  1. 原曲の詩の意味について
    資料1 p.30 「「楽しめよ」と多くの賛美歌曲」の項に,以下の掲載があります。
    「「楽しめよ,若き生命(いのち),薔薇を摘め,咲く今!」これは友愛の歌で,人生の旅路にはいろいろ悩みもあるが,友と真実な交わりをもつとき,涙は乾き,闇夜は真昼になり,ともに天国へと旅することができる,友情は最高の絆であると歌っている(門馬直衛編『世界民謡全集』第五巻,音楽之友社)。」

  2. 資料1 pp.28-29 「ネーゲリの「年たつ今朝」の項
    「(前略)昭和三年(一九二八)発行の『日曜学校賛美歌』に採録されている同じ曲は,「なにをかささげん(What Shall We Render)」という歌詞がついています。」

    資料2 一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR 櫻井雅人. 「唱歌集の中の外国曲:『小学校唱歌集』を中心として(2)」. 『言語文化』, 42, 2005, pp.3-13. 『第二編』収録曲の原曲 第36「年たつけさ」の項
    http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/15504/1/gengo0004200030.pdf
    (最終アクセス日2011/07/19
    「「年たつけさ」は『ナショナル・ミュージック・チャート』(17)"The Rising Sun"(歌詞2)が出典で,元は"Sunrise"という題であった(18)歌詞("See where the rising sun")は宗教的ではないが,賛美歌集(19)にもある。明治時代の英語歌集(20)"See Where the Rising Sun""Life Let Us Cherish"の両方が収録された。賛美敬"WhatShall We Render" (作詞E.Parson,1840)の曲(21)でもあり,日本では「なにをかささげん」 (『日曜学校讃美歌』 1928)となった(22)

 
些か錯綜した記述だが、要するに、原曲はドイツ民謡扱いの「楽しめよ(Freut euch des Lebens)」であり、それは門馬直衛編『世界民謡全集』ドイツ篇第五巻(音楽之友社)に収録されているが、英語圏では讃美歌に利用され、それが日本にも明治時代には導入されていたということらしい。 
 
高橋作詞の「白薔薇の匂う夕べは」がドイツ語曲からの翻案か、讃美歌系統かは、後者の資料未見なので不明だが、前者の歌詞に含まれる「バラ」や「友愛」がヒントになっているように思われる。
 

門馬の解説によれば、もともとはスイスの歌曲であって、作詞は Martin Usteri(1763-1815)、作曲は Hans GeorgNaegeri(1773-1836)、いずれもチューリッヒの人とのこと。

 
また、メロディーは、ロッシーニの“Semiramide”序曲や、ドヴォルザークの作品などにも使われているとも。
 
結構メイジャーな“ドイツ民謡”らしい。
 
Freut euch des Lebens
 

Solo     Manschafft so gern sich Sorg’und Mueh’,

           Sucht Dornen auf und findet sie,

            Und Laesst das Veilchen unbemerkt,

   Das uns am Wege Bluet.
 

Chor    Freut euch des Lebens,

          Weil noch das Laempchen gluet;

   Pfluecket die Rose,
   Eh’sie verbluet !
 
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