某施設での歌う会でのこと、司会者が「高校三年生」を歌いましょうと宣し、歌詞集○○ページにありますと告げた。伴奏のピアニストもそのページを見る。楽譜は無い。
勢いよくピアノから流れだしたメロディーは何と「リンゴの唄」であった。驚いたことに、参会者の多数がそれに合わせて歌い始めたではないか。「リンゴの唄」のメロディーに合わせて“あかいゆうひが こうしゃをそめて ~”と歌い、さすがにザワザワし出して立ち消えとなった。
ピアニストが「高校三年生」を知らなかった訳ではない。言い訳は≪歌詞を見て弾いているから≫ということで、“赤いりんごに”と“赤い夕陽が”の共通の出だし“赤い”に引っ張られたという告白だ。実は数曲前に「リンゴの唄」を元気よく歌っていたのだが、それについての言及は無かった。
どちらの歌詞も、七・七調で、メロディーを取り換えても支障無く歌えるということも幸いした?
歌詞に惑わされて曲を取り違えることはママある。歌謡曲の「丘を越えて」を予定していたところ、掲示された歌詞が“丘を越え行こうよ 口笛ふきつつ ~”すなわち「ピクニック」だったということが、つい最近、別の会場であった。
“われはうみのこ ~”とあれば、文字通り「われは海の子」を思い浮かべるか、それとも「琵琶湖周航の歌」か。