暫くぶりに素数ニュースが目に付いた。ニュースと言うにはやや旧聞に属するかもしれない。やはり世の情報を常時スキャンしていないと後れを取ることになる:
Jan 5, 2018 - GIMPSによると50番目のメルセンヌ素数「M77232917」は2324万9425桁の数字で、これまで最長だった49番目のメルセンヌ素数「M74207281」の2233万8618桁と比べて、約100万桁大きくなっています。以下のZIPファイルには、「M77232917」の書かれたテキストファイルが入っています。ZIPファイルのサイズは11MBほどですが、テキストファイルは22.6MBあります。http://www.mersenne.org/primes/digits/M77232917.zip. 「M77232917」は2017年12月26日に、GIMPSにボランティアとして ..≫
これに先立つニュースは当ブログも遅滞なくフォローしていた:
≪これまでで最大となる2,233万8,618桁の素数(49番目のメルセンヌ素数)が、昨年9月に発見されていたことが判明した。過去最大だった48番目よりも500万桁大きい。2016.1.22 FRI≫
昨日は大雪騒ぎで惜しくも1/22同日付けの掲載とはならなかった。
rank | prime | digits | who | when | reference |
277232917-1 | 2018 | Mersenne 50?? | |||
274207281-1 | 2016 | Mersenne 49?? | |||
257885161-1 | 2013 | Mersenne 48? | |||
243112609-1 | 2008 | Mersenne 47? | |||
242643801-1 | 2009 | Mersenne 46? | |||
237156667-1 | 2008 | Mersenne 45 | |||
232582657-1 | 2006 | Mersenne 44 | |||
10223·231172165+1 | 9383761 | 2016 | |||
230402457-1 | 2005 | Mersenne 43 | |||
225964951-1 | 2005 | Mersenne 42 |
これらの大素数相互の間隔もまた数百万桁の巨大な整数である。その区間には何万個もの(未知の)素数が散在していると想定される。
そこで興味が湧くのだが、素数を洩れなく拾い出している最大数域はどこまで延びているのだろうか。つまり、それより小さい素数が総て把握できている現在最大の素数は何か。
検索すると、「素数表・10,000,000までの素数」が見付かった。その区間の最大素数は「9999991」で、素数の個数は「664579」だそうだ(http://angelos.info.kanagawa-u.ac.jp/tgl/Appendix/Prime.html)。
ところで、今回の最大素数更新を知ったのは、次のニュースによる:
≪世界初?思いつきをまさかの書籍化
~ 2017年末に発見された「史上最大の素数」が書籍になったのだ。手がけたのは、オンデマンド出版事業を手がける虹色社(なないろしゃ)。ISBNコードも取得済みの正式な本で、税込み1944円。この「2017年最大の素数」は、1月13日からはAmazonでも購入可能だ。
ページ総数は、実に719ページ。電話帳サイズの本の中にびっしりと細かい文字で2324万9425ケタの文字が書いてある。じーっと眺めていると、なんだか頭がボーッとしてくる。これが、史上最大の素数「M77232917」の威力か…。
一体、なぜこんな無茶なことをしたのか。1月19日、東京・早稲田の事務所で虹色社の山口和男さんに聞いた。~≫
その記事の末尾がユーモラスだ:
≪—Amazonで買おうとすると「一時的に在庫切れ」になっていますね。
注文を受けてからAmazonの倉庫に送るようにしているだけで、問題なく買えます。数日で商品がお手元に届くはずです。
—こちらの事務所でも買えますか?
大丈夫ですよ。はい、どうぞ。
—ありがとうございます。ちなみにこれまでに何冊売れましたか?
あなたが世界で初めてです。≫