旧臘に買い込んだシュトレンに初めて手を付けた。暖房しない部屋に放置してあるので、3月頃までは賞味可能だろう。非常食として優れものだ。尤も、お値段は、非常食相当かどうか、よく解らない。昨年10月に価格改定と言う名の値上げが行われていた。
シュトレンの価格については、サイズの大小別に比べると、小・大・中の順に安くなる不思議を話題にしたことがある(シュトレン単価②~サイズ~包装 2015/12/20(日))。今回の値上げが、その序列に影響を及ぼしていないものかと、比較表を作ってみた。
2017年10月価格改定
前 後
大 シュトレン(700g) 2,200 円 314円/100g 2,300円 329円/100g
中 シュトレン(500g) 1,500 円 300 1,600 320
小 シュトレン(300g) 1,100 円 367 1,150 383
値上げ幅は、小が50円、中と大とが100円で、値上げ率としては小と大が同率、中が割高である。よって、中の割安感が薄まる結果となった。小賢しく実質単価を計算して割安の中サイズを買う(当方のような)客の足許を見た店側の増収策かもしれない。
仮に、中も小・大と同率の値上げとすれば、その額は68円程度である。丸めて70円の値上げとしても不自然ではない。
店が昨年10月に値上げをした理由は不明だが、常識的には人件費、原材料費の増嵩があったということだろう。
ちなみに、小麦(小麦粉)の価格推移を検索してみると、その時期に政府が輸入小麦の売り渡し価格を値上げ(+3.6%)しており、それを受けて製粉会社も(2箇月遅れだが)小麦粉を値上げしている。尤も、年次単位で見れば、昨年の小麦相場は低い方である。
人件費も確かに上昇しているだろう。政府の物価高騰政策もあるから、売り手にとって値上げの心理的ハードルは低いと見てよい。
政府・日銀の見立てによれば、わが国経済は過去最長クラスの拡大を続けているらしい。つまり、景気は悪くないということなのだろうが、他方で金融緩和を続けるのだという。物価を押し上げるためというが、実際にはカネ余りによる株価上昇を招いているのではないか。実体経済の良し悪しに関係無く、マネーゲームによって株価全般の上昇を生じているのではないか。