珍しくも映画を鑑賞して来た:
文化の日特別企画「ウォーナーの謎のリスト」無料上映会
主催:東京都古書籍商業協同組合
11月8日(水)東京古書会館7階会議室/定員60名/18時〜20時 席数:定員60名
映画宣伝のチラシに上書きされた古書組合独自のキャッチコピー≪神保町の奇跡 貴重な書籍や文献が集積された活字文化の中心地は、東京大空襲を免れた≫に引っ掛かり、急いで鑑賞希望のメールを送ったのは定員に達する寸前のタイミングだったようだ。
監督さんのご挨拶に続いて始まった映画は、途中までは確かに神保町にも相当の力点が置かれていたが、いつの間にか、日米戦争そのものの発生から終結、占領政策の話に焦点が移って行った。ただし、戦前から日本文化に深く関わったアメリカ人らの活動に沿った描き方ではある。
当方の興味は、何故神保町の古書店街が戦災を免れたのか、その真相が明らかにされるところにあったのだが、結局は今後も謎として語り継がれるというオチであった。
この映画そのものは、戦争の愚かしさを、文化財を戦禍から守ろうとする人々の行動を通して訴えることにあるようだ。交戦相手国の貴重な文化財を爆撃対象から外すべく努力した文化人がいたこと、爆撃目標を決定し、命令する立場の軍高官が京都を原爆投下候補地から外したことなど、考えさせられる歴史的事実である。
映画製作過程で集められた材料のうち、戦争中に日本側が外地で文化財をどのように扱ったのかなどに関するものは、今回の映画には全く取り込まれていないとのことだ。今後公開されることがあれば、是非拝見したいものだ。
この映画会が無料となったのは、古書業界のPR行事として催されたからだろうと察するが、本来ならば、それなりの鑑賞料を支払うべきものだろう。古本屋さんのきっぷの良さに拍手と感謝。