アクゼル著『「無限」に魅入られた天才数学者たち』(2017/10/23(月))に、≪イギリス人数学者グレース・チザム・ヤング≫が登場する。当方には全く初耳の人名であるが、どこか懐かしく心に響いた。ミドルネームの≪チザム≫がその感興を呼び起こしたのだ。
数秒後に≪チザム・トレイル≫を思い出した。その名も「なつかしいチゾルム街道」というアメリカのカウボーイ・ソングの一話を投稿したのは5年も前のことだ(チゾルム街道~Jesse Chisholm’s Trail~チザム搬路 2012/11/19(月))。それ自体、更に2年前の投稿が淵源であることを思い出させられる(高校男子用音楽教科書~名曲・珍曲~愛唱歌奇遇 2010/7/30(金))。懐かしさがこみ上げるのも当然だ。
このカウボーイ・ソングを日本にもたらした人は(人名に由来する) Chisholmを字面に引かれて「チゾルム」と音訳したが、数学界では発音に忠実に「チザム」としてきたことに感心する。あるいは、本書の訳者・青木氏個人のお仕事か。
≪グレース・チザム・ヤング≫さんの原語表記は、Grace Chisholm Young で、本書では
≪この絶対者という概念を神と同一視したカントールは、人生最後の手紙のうちの一通を、ゲッティンゲンの友人であったイギリス人数学者グレース・チザム・ヤングに宛てて次のように述べた。「私はこれまで、実無限のゲヌス・スプレームム(最高類) 、より一歩でも先に進んだことはただの一度もありません。それどころか事実はまったく逆で、実無限のゲヌス・スプレームム、は絶対に存在しないことを私は厳密に証明したのです。有限も超限も超えたもの ...≫
の文脈で登場する。数学・神学渾然一体の様相を呈している。