Quantcast
Channel: 愛唱会きらくジャーナル
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

中国・ロシア ~「北」ミサイル・核兵器 ~ アメリカ

$
0
0
偶には人並みにカレントトピックを取り上げてみたい。
 
北朝鮮が9月9日にミサイル発射か核実験をやらかしてアメリカを挑発するのではないかとの憶測は、太陽フレアによる磁気嵐という神風のお蔭か、杞憂に終わり、ホッとしたところだが、次は10月10日が厄日だそうだ。
 
北朝鮮ひとりが悪役を演じているような論調一色である。なぜ北朝鮮が世界を相手に無法な振る舞いをするのか、経済困難を抱えながら、厖大な資源を投入するミサイルや原水爆の製造を続けられるのか、スッキリとした説明はマスメディアでは聞かれない。
 
一般国民の生活を犠牲にしているからだというような抽象的な解説はあるが、アメリカをはじめとする世界中からの経済制裁が続き、それも常に強化されてきている筈だから、いまいち腑に落ちない。制裁の裏を掻いて、必要な資金や資源を獲得しているのだと言われても具体的なイメージが湧かない。
 
そこで、別の角度から「北朝鮮問題」を眺めると、案外なるほどと思われてくるのである。
 
北朝鮮にミサイルや核兵器の開発を止めさせようというアメリカの狙いに対して、消極的抵抗を示しているのが中国とロシアであると見てよいだろう。北朝鮮と直接に国境を接する両国としては事を荒立てたくない立場にある。窮鼠猫を噛むような事態は避けたい。だから、北朝鮮を徹底的に追い詰めることには反対なのだと解釈できる。
 
そのような見方は結構常識的だ。それで納得してもよいのだが、それにしても中露の姿勢は煮え切らない印象を残す。口には出さないが、北朝鮮の挑発的な言動が続く現状を実は容認しているのではないかとの疑念が生まれる。
 
そこで思い当たるのが、中ロ両国は、脅しの段階にある北朝鮮と違って、現実に実力行使により領土拡張を行っていることだ。ロシアによるクリミア半島の(事実上の)併合、中国による南シナ海の囲い込みは世界中から非難を浴びているが、実力で阻止しようとする国は無いので、既成事実となりつつある。
 
そんな時に北朝鮮が頑張って世界の注目を集めてくれれば、中ロ両国は大いに助かる筈だ。当分の間、アメリカなどが北朝鮮問題に釘付けになってくれれば、こんな有難いことは無いだろう。表向き、北をたしなめ、制裁に協力する様子を見せておればよい。裏で、北が息切れしないように程々の交易や物資補給を行うのだろう。
 
アメリカとしても、地上最大最強の軍隊の維持を正当化する理由として、北朝鮮は存在価値、利用価値がある。我が国の軍需産業にとっても「北の脅威」は、軍事予算の増加を後押しする有難い要素だろう。
 
現実に軍事衝突が起きたり、頭上に核ミサイルが飛んできたりすることは誰も望まないものの、その脅威がある状態が続く事を密かに願っている向きがあるのではないか、という憶測であるが、妄想であれば不幸中の幸い。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

Trending Articles