Quantcast
Channel: 愛唱会きらくジャーナル
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

お茶の科学 ~ 発酵茶 ~ レモンティー

$
0
0
図書館から借りた「お茶の科学―――「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ」(大森正司、講談社 2017.5)をほぼ読んだ。新聞の書評欄に取り上げられるほどの本とも思えず、何故当方の目に触れたのか思い出せない。ただ、標題が興味を惹いたのは間違い無い。以前、同じタイトルの植物園セミナーを聴講したことがある(お茶の水女子大学~加藤美砂子教授~お茶の科学 2016/6/12())。
 
版元による内容紹介:イメージ 1
 

読めばお茶の味わい方が変わる、驚くほどおいしくなる!

緑茶、紅茶、ウーロン茶……さまざまあるお茶は、すべて同じ「チャ」の樹の葉からできたもの。
製造過程で、茶葉の中で多様な変化が起こり、そのお茶らしい色、香り、味が生まれます。
「お茶のおいしさ」とは何なのか? 
5000
年以上にわたる茶のルーツをたどり、最新研究からその秘密に迫ります。

お茶を研究して50年のお茶博士が、誰にでもできる「いつもの煎茶を玉露にする淹れ方」も伝授!

これを知らずじてお茶を飲むのは、もったいない!

 
詳細なデータや技術的な説明などもあり、興味本位に読むつもりだと途中で興醒めしそうだが、いろいろと勉強になる本だ。盛りだくさんの内容から、気になった事項を断片的に記録しておこう:
 
“緑茶は生葉を熱処理によって発酵を止めたもの、紅茶は発酵させたもの”と刷り込んでいたが、科学用語としては「発酵」の誤用である。お茶で「発酵」と言っているのは、 実は「付加反応」のことであり、発酵ではない。本物の発酵茶には、カビ付茶(プアール茶、富山黒茶など)、バクテリア発酵茶(阿波晩茶、碁石茶、石鎚黒茶など)がある。
 
玉露、煎茶、番茶と並ぶお茶の種類に「碾茶」があり、原料茶葉は玉露と同じで、これを石臼で挽いて抹茶にする。
 
何故か、モンゴルの「磚茶(たんちゃ団茶)」に関する記述が無い。中学時代の地理の教科書に載っていたようだが:ブリタニカ国際大百科事典小項目事典 - 磚茶の用語解説 - 団茶(だんちゃ) ともいう。紅茶や緑茶の屑を蒸して型に入れ,圧搾して干し固めたもので,その形が磚 (中国の煉瓦) に似ているので磚茶と呼ばれる。モンゴル,チベット,中国,シベリアなどで用いられ, ...
 
≪紅茶にレモンを入れると、スッと水色が薄くなるのは、お茶のpHがレモンのビタミンCによって下がり、酸性になるため(p.151)≫とある。
 
確かに、≪ビタミンC(L-アスコルビン酸)酸味を有する白色の結晶で、水によく溶けます(国立健康・栄養研究所https://hfnet.nih.go.jp/)≫から、理屈に合うのだが、レモンの酸味はクエン酸など、その他の酸の寄与度が大きいのではなかったか。

紅茶の産地としては、インドのダージリン地方が世界最大だと思われるが、茶農園のストライキで茶葉の生産が止まっているとの報道がチラホラ、既に何か月にもなるのではないか。

言語教育に人種問題が絡んでの騒動だとのことで、本来の労働問題とは関係無いらしいのだが、気懸りだ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1579

Trending Articles