昨日のことだが、某学食で昼飯を食べた。若い人たち2,3人が近くにいた所へ、ぽつりぽつりと仲間が集まり、当方が彼らに囲まれる格好になった。彼ら、仲間に合流はしたものの、むさ苦しい爺と向い合せで居心地良さそうには見えなかった。
気の毒なので、こちらから声を掛けて話を聞くと、修学旅行で沖縄から来た高校生と判った。興味が湧いていろいろ訊いてみると、幾つか意外なことがあった。
「芭蕉布」の歌を知らないという。聞いたことも無いらしい。どんな歌ですかと逆に尋ねられたが、まさか学食内で歌うわけにもゆかず、歌詞の出だしだけ教えた。
「にしんじょう(西武門)節」なぞ、ますます知る訳が無い。となると、伝統芸能一般についても親しんでいないのではないかと思われた(速断は禁物だが)。映画「ひめゆりの塔」などは、沖縄を遥か遠くに思い描く人々が感傷に浸る材料に過ぎないのかも知れない。
漢字では「玉御殿」、「霊御殿」などと書く≪たまうどぅん≫も知らないという。ただ、方言教育に力を入れる学校もあると話してくれた。確かに、沖縄と一口に片付けるのは乱暴かも知れない。特に、島が違えば言葉も変わり、土地事情にも通じないのは当然だ。