今や当会の、“ちゃんとした”音楽ホールでの唯一の演奏機会である文京区生涯学習フェアの今年の本番を昨20日無事に終えた。メンバー全員がいわゆる後期高齢者となり、歌唱力の衰え覆うべくも無く、いつまで続けられるか危ぶみながらここまで来た。
そろそろ潮時ではないかと皆さんの顔色を窺うと、不思議に継続の希望が帰ってくる。来月以降、新たな方針の下、月2回の例会を持つことに合意が成った。何もかも当方に一任と言う従来の方式は廃し、常に合議により計画を進めることとした。上手く行くかもしれない。
今回の演奏プログラムは次の通り:
弘田龍太郎の四季
小諸なる古城のほとり
鯉のぼり
雨
お盆が来るから
雲に寄せる
秋の山
浜千鳥
春よ来い
文京区歌
幾つかの曲には改変を施した。
練習は4回しか行えなかったため、当初計画した合唱形式を仕上げられず、諦めて斉唱方式にした曲が多い。その穴を埋めるように、当方の勝手なハモリなどを盛り込んだものもある。綱渡りの気分でもあった。
「小諸なる古城のほとり」が途轍もない難曲であることを思い知った。それでも何とか歌うことが出来たのは、メロディーを聴き覚えていたことに拠る。白紙の状態でピアノ伴奏で練習していたら、歌えるようになるまでに何か月を要しただろうか。
本番斉唱では、やはり、4名のタイミングのずれが目立った。素人衆には、当初方針通り節目節目での受け渡しによる“分唱”方式が良いのかも知れない。常識はずれのアイディアに対する拒絶反応を呈する向きの多いことは覚悟の上で。
パッとしなかった今回の発表であるが、「浜千鳥」四重唱には盛大な拍手を頂いた。予想通りだ。と言っても、功績はソプラノで特別参加してくれたピアニストさんのものである。当方のテノールも結構いい線を行ったと自己満足している。「文京区歌」で急遽試みたオブリガートも録音を聴く限り、悪くない。単調な斉唱に終わらなかっただけでも成功だった。
ピアニストさんは「秋の山」を気に入った曲だと言う。昔風の素朴な唱歌だと思うが、美しい曲だとのことである。発掘して紹介した甲斐がある。